『逆転裁判456 王泥喜セレクション』で逆転裁判6のプレイ感想 王泥喜くんは大丈夫か……!?

2024/01/25に発売された『逆転裁判456 王泥喜セレクション』を購入して逆転裁判シリーズのナンバリング作品では唯一未プレイだった逆転裁判6をプレイしました

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成歩堂セレクションと銘打たれている逆転裁判1~3に対して、逆転裁判4~6は王泥喜セレクション。主役となる弁護士が成歩堂龍一から王泥喜法介に交代してからの3作品のラストを飾るのが逆転裁判6です

主役交代と書きましたが、それが上手くいったのかどうかは意見が分かれるところです。逆転裁判4では「新章開廷!」のキャッチフレーズで1~3のキャラクターたちとは決別して新たにやって行くかと思いきや、弁護士をやめて変わり果ててしまった前作主人公のナルホドくんの言動が物議を醸し(その上見せ場もかっさらっていく)、オドロキくんの華やかな登場を邪魔します

オドロキくん一人ではダメそうだと判断されたのか続く逆転裁判5ではナルホドくんが復活し、希月心音という新キャラクターが投入されます。逆転裁判5の一連の事件は最終的に希月弁護士の生い立ちにつながっていく流れになるのでここでも新主人公の存在感はイマイチ

逆転裁判6をプレイしたあとに振り返ってみると、6でようやくオドロキくんが逆転裁判の世界に溶け込めたんだなぁと感じます。そう考えると作品そのものよりも4~6で紆余曲折を経たシリーズの流れそのものにドラマを感じてしまいました。逆転裁判4からの軌道修正で多くのスタッフが頭を悩ませたことが作中の至るところからひしひしと伝わってきます

ネタバレなしの感想を言うと、逆転裁判6は普通に面白かったです。舞台となるクライン王国のとんでも設定を聞いたときは「アヤシイ」と疑ってかかってしまっていましたが、ぶっ飛んではいるもののそこまで変な感じにはなっていません

逆転裁判4をプレイしてそれ以後は逆転裁判シリーズやってない、あるいは逆転裁判4の評判を聞いて3以降プレイしていないという人って結構多いと思うのでこの機会に『逆転裁判456 王泥喜セレクション』を買ってプレイしてみてはどうでしょうか

ちなみに通常の逆転裁判4~6のゲームをプレイできる他、作中のBGMを自由に再生できるオーケストラホール、各キャラクターのモーションを確認できるアクションスタジオ、設定画集を見れるアートライブラリなどのおまけの追加機能もあります

あと余談ですが自分はSteamでプレイしていてフリーズが頻繁におきました。自分だけ……?

以下ネタバレありの感想です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逆転裁判6のエピソード(DLC除く)は全部で5つで、事件は6つです。個人的には第4話目の落語家のお話と第5話目の前半の事件がお気に入りです

落語の事件はテンポ良く進むのでプレイしていて快適でした。希月心音と夕神検事の掛け合いも好きです

何気に逆転裁判1~3の登場人物が全く登場しないで作られたお話って4以降だとこれが初めてなんじゃないでしょうか。シリーズが進むにつれて話が壮大になりがちだったなか、良い意味でこじんまりしていて原点回帰っぽい感じが逆に新鮮でした

第5話目の前半、宝玉を巡る所有権争い裁判はシリーズ初の民事訴訟を扱う裁判です。裁判の内容もさることながら、探偵パートも謎解きが面白くてよかったです。オドロキくんと育ての親ドゥルクの宝探しのエピソードはベタなんですけどぐっと来ました。「オドロキくんに育ての親がいて、それがクライン王国の革命家である」なんてどう考えても後づけの設定なんですが……

裁判パートの見どころは原告の清木政治のキャラクターのおかしさです

逆転裁判6で初登場したキャラクターの中で一番好きかもしれないです。自分は矛盾点が見つかったら無駄にゆさぶらないですぐに証拠品を突きつけるというプレイをしているんですが、清木の証言だけはとりあえず全部ゆさぶってみてみたぐらい好きです。なんでも自分語りに持っていく小物感がたまんねぇ!

惜しむらくは、彼は最終的に刑事事件の被告人になってしまったので再登場ができないことでしょうか。せっかくの民事裁判だったんだし、原告側の主張が却下されておしまいでもよかった気がします。自分のイメージですが彼のような人間は保身のために嘘をついたり、誰かを貶めたりすることはあれど、そのために人を殺すほどの悪人になれるような人間でもないんだよなぁと思ったり

ゲーム全体のことを言うと、謎解きの難易度は高めに設定されていると感じました。というより、ある程度の時点で事件の全貌はわかってしまって、真犯人とトリックもだいたい目星がついているのに「証言に対して何を突きつければいいかわからない」という場面が多くあった気がします

4から登場したシステムの「見抜く」「ココロスコープ」「カンガエルート」は違和感なく謎解きの中に組み込まれていて面白かったです。6で新たに登場したシステムは死人の死ぬ間際の記憶を見ることができる霊媒ビジョンですが、無難に面白かったと思います。ただ、レイファ様の踊りをいちいち見なきゃいけない仕様が謎でした。あの……真宵ちゃんはそんな変な踊り踊らなくても託宣よりも難易度高い霊媒ができるんですけど……? あれ、レイファ様って……

今回のラスボスとなるのはクライン王国の女王であるガランですが、色々と怪しい描写が多かったため意外性はなかったと思います。どんなに鈍い人でもあの服装になったのを見た瞬間「あ、こいつだ」ってなりますからね

彼女の服の胸の部分の渦巻き模様って何なんでしょうか? 一体どんな思惑で彼女があの服を法廷で身にまとおうとしたのか疑問です。乳首当てゲームか?

少なくとも自分の母親があんな衣装を恥ずかしげもなく着こなしてたら、息子である自分は恥ずかしくて死ぬと思います。レイファ様とかナユタ様にとってあの人は叔母にあたるわけですが近くに立っていながら「こいつのセンス、やべぇよ」とか思っていたのでしょうか。思っていてくれなきゃ困ります

今回の騒動のオチとしてオドロキくんはナルホドくんらと一旦距離を置いてクライン王国で活動していくことになったわけですが、逆転裁判4の流れから考えると「これって島流しでは……!?」と思わずにはいられなかったです。せっかくキャラが立ってきたのにお別れだなんてもったいない。せめてみぬきちゃんとか茜刑事とかはオドロキくんについていってもいいのではとは思いました。ナルホドくんの周りに女性キャラが集まりすぎです

続編となる逆転裁判7の可能性に関しては……どうなんでしょうか? 続いてほしい気もしますが、せっかくいいところで話が終わったんだから、気分一転して新しいアドベンチャーゲーム作るのもあり? という気もちょっとします

先程もちょっと触れましたが、民事訴訟に関しては今後のシリーズの展開の仕方としてちょっと可能性を感じました。民事は刑事と違って事件の種類が豊富ですし、「紛争の解決」が目的で「真実を追求しなくてもよい」裁判ですから刑事裁判とは弁護士の役割が違います。親権争い、相続問題、離婚調停……希月弁護士のカウンセリング能力とか活かせそうな分野ですよね。ただし、民事は刑事よりも構造的に複雑になりがちなので実際にお話作ろうとすると難しいのかもしれないです

余談ですが、おまけ機能の設定画集を見ていたら逆転裁判4で登場した36歳のはみちゃんのセミヌードの絵があってびっくりしました。あの人、ただでさえ環境型セクハラみたいな外見しているのに脱ぐ予定まであったんでしょうか……。ドン引きです

うーん、画像を貼っただけでキモい。この人なんとかならなかったんでしょうか