田ボ。読み方は「たんぼ」ではなく、「でんぼ」です。ボーボボを知らない人のために念のため。まぁ、ボーボボ知らない人はこの記事のタイトルに含まれるボボボーボ・ボーボボという意味不明な文字列に興味を抱かないと思うのですが……
2023年10月13日からアニメの『ボボボーボ・ボーボボ』の傑作エピソードの期間限定の無料公開が行われています
投票にて選ばれた上位16話が対象とのことでそれぞれ2週間限定公開されています。エピソードは以下の通り
- 1話「『毛魂』と書いて『スパークリング』と読ませたい…」
- 12話「ぷるんぷるんしてる強敵出現! その名はところ天の助!」
- 13話「激撮!遊園地24時 暴かれたカバの黒幕!」
- 22話「謎のイケメン登場!キミのハートをLOCKする!!」
- 32話「行け!ボボパッチの助!! ママチャリで!!!…マジで!?」
- 33話「OVER! テメーはオレがぶっ倒す!!って天の助が言ってました~!!!」
- 34話「皆様大変永らくお待たせ致しました!遂に登場! 魚雷ガール!!」
- 35話「魚雷ガールよ!! 地球にかわってお裁きよ♪」
- 42話「おもしろスゴロク発動!みんなそろってサービスしちゃう♪」
- 48話「マジカル☆ガール田ボちゃん登場!恋の呪文はガバパビッチ!?」
- 59話「ハジケ合体パッチボボ!おふざけ無しのガチンコバトル!?/激闘!恋の三角関係!メリーゴーランドでルンルンバトル!?」
- 65話「熱闘おでんデスマッチ!ボーボボ対ハンペン!! / 衝撃!ハンペン承の力!! ハンペンの夜明けは近い?!」
- 66話「おかずはバッチリ(^o^) お手軽弁当毎度あり~♪ / 僕の名は天ボボ! 争いは嫌いです(^o^)」
- 68話「発表!人気投票!! 1位は誰?オレ? / OVERvs3世vsボーボボ!最凶奥義の三つ巴決戦!!」
- 74話「バトルステージは巨大化へっくん!赤ちゃんモード発動!! / 変身!怒りの怒怒怒怒怒怒んパッチ!!」
- 76話「スーパー田ボ参上!!愛と平和のカウントダウン?! / ついに最終決戦!!鼻毛真拳FOREVER!!」
個人的にはわりと納得な選出です。物語の要所となるボスとの戦いとボーボボ合体回が選ばれていますね。自分は田楽マンの回とかライス編とか絶望君とか好きだったので自分が選ぶのだとしたら、旧毛狩り隊の部分を抜いて、Zブロック、ハジケ基地の回、サイバーシティの回を入れるかなぁ。軍艦のくだりがすっぽり抜けているあたりリアルだと思いました
さて、そんなボーボボですが、アニメスタッフから「田ボ」が異様に推されてはいないかと思うのです
「田ボ」は田楽マンとボーボボが合体した姿で、アイドルっぽい見た目の人物です。歌が得意で、アニメでの初登場は第48話。玉ねぎ頭のキャラクター「J」との戦いで登場します
アニメでの田ボの登場はこの48話と76話の2回のみ(ちなみにどちらも上位16話に入っています)。ボーボボの融合戦士は登場頻度が高くないので登場話数が2でもおかしくはないのですが、問題はその田ボがなぜかアニメ1話からOPで登場していること
ボーボボのOPは1話~32話まで「WILD CHALLENGER」という曲が使用されました。32話は「行け!ボボパッチの助!ママチャリで!!!…マジで!?」です。OVER戦の1つ前の戦いですね
田ボの初登場は上で述べた通り48話ですから漫画を見ていないアニメ勢の子どもたちは32話にわたり正体不明の女が登場するOPを見せられ、しかもその女が本編に一切登場しないままOPが新しいものに切り替わるという不可思議な体験をさせられていたのです
(ちなみにこの理論では魚雷ガールも謎の人物でした)
田ボは続くOP「バカサバイバー」でも当然のように登場します。しかも、3つのカットで登場します。まずはOP序盤の導入のシーン
田ボはボーボボと田楽マンからなる人物なので、ボーボボと同時に存在するのはおかしいのですが、なぜか同じ画面に登場しています。なので上の画像では実質ボーボボが2人います
2カット目はJをヌンチャクで吹き飛ばすシーン。ノリノリです
バカサバイバーでの3回目の田ボの登場カット。お気づきでしょうか? ボーボボが2人いることに加え、田楽マンも2人います。もうめちゃくちゃです
EDにも当然登場する田ボちゃん。ボボパッチもいるのでこの画面にはボーボボが3人です
OP/EDでも露骨に贔屓されている田ボですが、アニメ本編でもその贔屓っぷりが見て取れます。田ボの2回目の登場となる76話はなんとボーボボの最終回なのです
原作漫画での2回目の田ボの登場となる回までアニメを続けたいというアニメ制作スタッフの強い執念を感じます。ボーボボのアニメは田ボで始まり、田ボで終わったと言っても過言ではありません。そんなに田ボを動かしたかったのでしょうか……
そんなアニメスタッフの熱意が原作者のもとに届いたのか、田ボは彼女とほぼ同じデザインのキャラクター、ボーボボの姉のブーブブという形で再登場します。ブーブブはボーボボとは別人なので同じ画面に登場しても問題ありません
ということはアニメのOPに登場していたのはブーブブ……? 設定の矛盾だと思ったら伏線だったみたいです
ボーボボのアニメは20年前のアニメなのにも関わらず、公式サイトが未だに更新され続けています
そんな公式サイトの情報でも田ボ贔屓の名残が見て取れます。それはテーマソングのページ
OP/EDで使用されていた曲と並んで「マジカル☆ガール 田ボちゃんのテーマ」が書かれています。1回だけしか使われていないのに……。「作詞作曲:武田信玄」であれば完璧でした
公式サイトで紹介されているグッズには天の助やソフトンなどのレギュラーを抑えて田ボちゃんのグッズが
登場回数の少なさの割に明らかに優遇されている田ボ。自分も田ボ登場の回はよく覚えているので読者からの人気も高かったキャラクターだとは思いますが、どうしてこんなに愛される女性(?)キャラになったのでしょうか
ボーボボのギャグの世界は典型的な男の子のノリの世界なのですが、そんな中で女性キャラクターがツッコミではなく、完全なボケとして登場したのが珍しく写ったのではないかというのが持論です
ボーボボは荒唐無稽なギャグが繰り広げられるナンセンス漫画です。小学生の男子が昼休みに訳の分からない遊びをしている感覚に近く、女子はそんな男子を見て「馬鹿だなー」と冷やかしを入れる立場にあります。ビュティなんかは遊びに参加しているものの一緒に遊んでいるわけではないので物語を通してツッコミ役です
そんな遊びの中に女の子が参加してきた! ギャグができる上に、美人! 田ボはそんな衝撃的なキャラクターだったからこそ印象に残ったのかもしれません
加えて、アニメ的には人物を動かす上での男女比問題もあったんじゃないかなと思います。映画でも男の登場人物だけだと画面がむさ苦しいから女性の登場人物を入れるということはよくありますが、その理論です。OP中の男性比率が極端に高かったために、田ボが重宝されたのかも。このアニメのまともな女性キャラはビュティかスズぐらいしかいないですからね。魚雷ガールは女性にはカウントしません
ちょっとした考察でしたが、考えてみたらボーボボみたいなギャグ漫画についてあれこれ考えるのは不毛ですね。公式の田ボちゃん初登場会のアニメ無料配信は11/24日まで続いています。見れ!
蛇足:
公式ページのキャラ説明を見て気づいたのですが、ボーボボって27歳だったんですね。気づいたらボーボボがお兄さんではなく、年下になっていた悲しみ……