「石川県の義援金送れ」はほとんど詐欺

募金箱を持った子供達のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

タイトルは一時期特定の界隈でよく使われるようになった言い回し”「レターパックで現金送れ」はすべて詐欺”のもじりです

今日、用事があって川崎駅に行ったら、中央東口のあたりで自民党の人が令和6年能登半島地震の募金を募る活動をしていました

弁士の方の近くには募金活動におなじみの募金箱を持って立っている人がいます。募金箱にお金入れないと心ない人みたいでなんか嫌になります。実際自分は心ない人なのかもしれないですけど……

ただし、募金しなかった自分にも言い分はあります。「街頭の募金って何に使われるかわかんないじゃん」という理由です

街頭で行われている募金活動は募金箱にいくらお金が入ったのか、集めた募金をどこに送ったのか、募金した側からはわからない仕組みになっているのです。年末は政党の派閥による政治資金パーティーの裏金疑惑が世間を賑わせましたが、「街頭募金」というのは政治資金パーティーのチケットの売上なんて比じゃないほど追跡が難しいお金です

もちろん、募金活動している人は「◯◯万円集まりました!」とそれっぽい報告をするのでしょうが、募金箱に入っていた実際の金額が報告されている金額と一致しているのかは不明です。100万円集まったけど80万円集まったということにしておいて20万円を着服するなんてことが簡単にできてしまいます

去年、24時間テレビのチャリティー活動で集められたお金がテレビ会社の社員に着服されていたというニュースがありました

www.24hourtv.or.jp

どのような経緯で着服がバレたのかはよくわかりませんが(内部告発?)、総額が集めた側にしかわからない募金という活動の性質上、いつかは起こり得ることだったとは思います。目の前に美味しそうなケーキがいっぱいあって、2、3個なくなってもバレないのであればつまみ食いしたくなるのが人間の欲深さです

共産党が募金活動で集めたお金を募金の目的とは関係のない党の活動に使っているという情報がSNSに出回りひと悶着ありましたが(デマなのかそうでないのかどっちなんでしょう?)、一連の事件で募金活動に不信感を持つ人が多くなっているのは事実です

anond.hatelabo.jp

そもそも、石川に義援金を送りたいのであればどこかの組織を経由して送るのではなく石川県に直接送ればいいと思うのですがどうでしょう?

ちょっと調べてみれば、石川県が主催している義援金の募集が見つかります

www.pref.ishikawa.lg.jp

石川県が集めているのですから、石川県のこと以外に使われることはまずありえないです。確実に石川県に義援金を送りたいなら、ここが一番無難な選択肢のはずです

SNSを見ていると個人で石川県への義援金を集めている人が見つかったりするのですが、彼らは一旦自分のところにお金を集めて何がしたいのでしょうか? お金なんて相手の口座さえわかっていれば直接送ることができるので石川県の義援金の募集のリンクを貼って、「自治体のサイトの内容に従って振り込んでください」で問題ないと思うのですが……

事実、今回の騒ぎに乗じて義援金詐欺をやっている人たちもいるみたいで、消費者庁が警戒するように呼びかけています

www.caa.go.jp

はじめから「着服してやろう」という悪意をもって募金活動をしている火事場泥棒じみた人は論外だとして、「募金されたお金はきちんと届けるけど、集金は自分で行いたい」という人たちもいると思います。「被災地は俺が救うんだ!」という使命に目覚めたものとでもいいましょうか

彼ら=覚者が罹っているのは「じっとしていられない病」でしょう。「石川をなんとか救うんだ!」という思いが先行しすぎて「とにかくやってみよう」精神で後先考えずに活動しているのです

個人個人がばらばらになって活動している様子は映像としては見栄えがいいし、やってる本人としては「役に立ってる感」ができていいのかもしれないですが、効率的とは言えないです。街頭で募金箱もってるタイプの活動は特にそんな感じがします

考え抜かれた数式やプログラムがシンプルな形になるように、最も効率的な方法というのは最も地味に映るものなのではないでしょうか。今回の地震の場合、個人ができることの最適解はスマホのアプリあるいは近くの銀行で自治体が指定している口座にお金を送ることであると思います