【ホラーゲーム】No, I'm not a Humanの感想 雰囲気抜群! 海外版の『8番出口』と呼ぶべきアイデア勝負のインディーホラー ※ネタバレ無し版

以前から注目していたホラーゲーム「No, I'm not a Human」が2025/09/15(16)にリリースされました

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崩壊したあとの世界で家に引きこもっている主人公のもとに助けを求めて毎晩人がやってくるのですが、その中には人間に化けている「来訪者」が混じっています。ゲームの目的は「人間」と「来訪者」を見分けて、「来訪者」を排除すること――

やってきた人物が怪しいかどうかを色々と調べていくシンプルなアドベンチャーゲームです。見分けるためには目の様子や手の状態など身体的特徴を調べる必要があるので、ゲームのコアの部分は単純な間違い探しです。その点に置いて日本で大ヒットしたゲーム「8番出口」に通ずるものがあるかもしれません

「No, I'm not a Human」の優れた箇所は、プレイしているだけで不気味な空気が伝わってくるような雰囲気づくりです。「自分が住んでいる家のドアをノックして誰かがやってくる」、これだけの演出でもかなり怖くできています

そして、やってくる人物は「来訪者」であるかないかにかかわらずいづれも癖があって不気味な連中ばかり。背が異様に高かったり、目に光がなかったり、意味不明なことをまくし立てたり……。プレイヤーはやってきた人物を家に入れるか入れないか選択できるのですが、普通の状況であればどいつも入れたくないです。ですが、ある理由によりプレイヤーは家に人をいれざるをえない。ここらへんのゲームの設定もいいですね

家に人をいれなければいけない理由は、家に一人でいると襲いかかってくるイントルーダーの存在があるからです。ゲームの顔(?)になっているイントルーダーは、崩壊したあとの世界を徘徊して人を殺し続けている狂人です。「怪しいやつなんて誰一人いれさせない! 俺は家に閉じこもる!」みたいな死亡フラグバリバリの行動を取るとこいつがやってきて問答無用で殺されます。「来訪者」を招き入れて家の中で殺人が起きるのも嫌ですが、殺されるのはもっと嫌だ。というわけで、プレイヤーは仕方なく、ヤバそうな連中を家に入れるのです

ホラーゲームとして非常に素敵なのはいわゆる「ジャンプスケア」的な演出にほぼ頼っていないこと。怪物がいきなり画面に映し出されて「ぎゃあああ」みたいな演出はありません。気味の悪い設定、不穏な登場人物、謎だらけの世界を練り上げて、じわじわとプレイヤーを恐怖で追い詰めていきます。色褪せたテレビの発色、ノイズがかったラジオの音、聞こえてくるうめき声……

家に招いた人物を「来訪者」と見分けるためにプレイヤーには身体チェックをする選択肢が与えられていますが、この身体チェックも結構、心にきます。歯の画像とか、脇の画像とか用意されているんですが、知らない人の脇とか目とかって、まじまじと見ると割と不愉快です。身体的特徴が怪しげであれば、「来訪者」とみなして、その人物をその場で射殺するのですが、この演出もよいです

本作はバッドエンディングを含む複数のエンディングが用意されているマルチエンディングの作品です。現在、ほとんどのEDを見た状態ですが、思い返して見て驚くのが、そのミニマムさ。ゲームの主要なアセットは寝室から玄関までをつなぐ3Dモデルと家を訪れてくる人物たちの立ち絵です。プレイしてみると「恐怖ってこんなにシンプルに作り出せるのか!」と驚くような素材の少なさです

1ゲームプレイするだけであれば1時間もかからないです。秋の夜長にちょっとした恐怖はいかがでしょうか