予想がつかない2024年のアメリカ大統領選の結果について

2024年11月5日にアメリカの大統領選の投票が行われます。今回の候補者として民主党からカマラ・ハリス氏、共和党からドナルド・トランプ氏が選出されています

テレビや新聞では、差別主義者、ドナルド・トランプは国内のマイノリティや移民、女性や若い世代から徹底的に嫌われているというような報道が目立ちます。一方で、ネットでは既存のマスコミの報道は偏ったもので、カマラ・ハリスの勢いは衰えつつあるという論調が多いです

もし、自分がアメリカ国民で投票権があるなら、今回の選挙はトランプさんに投票していたと思います。彼の差別的な発言や高すぎる年齢はマイナスポイントですが、実業家としての経歴や大統領経験の実績は評価できる点です。バイデンさんの4年間で世界情勢は大きく変わったので、一度戦略の見直しをするという意味でも、実質バイデン政権の継承者であるハリスさんより、トランプさんを選んだほうがよいと考えます

しかしながら、ハリスさんを支持する人たちの意見もわかります。バイデン政権は外交は下手っぴでしたが、内政は堅実でした。新型コロナウイルス騒動の終結からポストコロナの世界という難しい時期の舵取りを任されたバイデンさんでしたが、物価の上昇という課題は残ったものの軟着陸を果たすことができたと思っています。今のアメリカの景気は「割といい」ぐらいの感じだと自分は思います。不法移民に関してもバイデン大統領は最終的には方針を柔軟に切り替えて厳しく取り締まる形になりました

なので、ハリスさんがバイデン政権の政策を引き継いでもめちゃくちゃになることはないでしょう。一方でトランプさんが再選されたら、今までの取り組みが一気にひっくり返る恐れがあります。そのため、無駄にリスクを負いたくない人たちにとってはベストではないがベターであるのがハリスさんです

思い返せば2024年の大統領選は常に「接戦」でした。銃撃事件でトランプさん優勢が決定的になったかと思えば、民主党の候補者の交代が巻き起こり、ハリスさんがリードし、ハリスさん優勢になったかと思えば、アドリブの効かなさで失速し……。まるで振り子のようにぶんぶんぶんぶん揺れ動いたのが今回の大統領選です

ネットでは、賭けサイトでトランプさんに賭けている人の割合が多かったりや激戦州での優勢を理由にトランプさんになるだろうという意見が大勢を占めています。正直言うと、自分もそれを信じたくなる気持ちもあるのですが、うーん……

自分は2020年の大統領選挙のときに同じような理由でトランプさんが当選するだろうと思っていて間違ったので、なんとも言えません。民主党寄りの報道を続けるオールドメディアの論調が偏っていそうなこともわかりますが、ネットの意見だって同じぐらい偏っているという当たり前すぎる事実に2020年の時点で気が付きました

例えば、以下のBBCの報道は調査に基づいて中立的な意見を述べているように見えます

www.youtube.com

しかしながら、youtubeのコメント欄にはお決まりのようにこの調査が不当なものであるというコメントが寄せられています

ポイントは(例え歪めたものだったとしても)何らかの調査に基づいて解説を行っているリサーチャーに対して、コメントを残す人たちは何の調査にも基づかず脊髄反射的な反論を行っていることです。「エスタブリッシュメントの情報はすべて嘘だ」「メディアは我々を操作しようとしている」という姿勢が固定化していて、真実を見ようというよりも自分たちが信じたくない情報以外は受け付けないという状態になっている気がします

もちろん、これはトランプさんに不利な情報ばかり報道するオールドメディアにも言えることなのですが、……うーん。だからこそ、今どんな状況になっているのか全くわからないです

「人間が収集して、編集する以上、ニュートラルな報道など存在しない」という基本に立ち返って真実を知りたければ無味乾燥な代わりに誰にも忖度しない統計情報とにらめっこしてくるのが一番いいのでしょう。難しい時代になりました

しかしながら、統計のデータを信用しないという道も存在しています。「隠れトランプ」の存在をほのめかせば簡単に「いやいや、この統計には含まれていない存在がいるんだよ」と反論できてしまいます。実際に2016年の選挙は「隠れトランプ」ないし「隠しトランプ」がいて予想をひっくり返してしまったのだから、一見クソみたいに見える反論でも割と説得力があります

どちらに軍配があがるかがわからないという意味でも不透明な選挙ですが、どちらかが当選した場合に世界がどのように変わるかに関しても不透明な選挙でもあります

「もしトラ」という「もしドラ」をもじった謎の用語が一時期流行りました。「もしトラ」はもし、トランプさんが当選したら「アメリカはこうなる」「世界はこうなる」という予想です

自分の記憶が正しければ、悲喜こもごもな感じだったと思います。「株価が急落して経済がやばい!」と嘆く人もいれば「国内の産業が活性化して、アメリカの経済が回復する!」と訴える人もいた気がします。「円高ドル安になるはずだ」「いやいや、円安が加速するよ」という正反対の意見もありました

ゆえに、トランプさんが当選してアメリカがどうなるのか、世界がどうなるのか、正直よくわからないです

「もしハリ」の意見はあんまり聞きませんが、トランプさん以上によくわかりません。バイデンさんの路線を継ぐだろうということ以外はあまり語られていない気がします。そういう意味ではミステリアスな候補ですね

トランプさんとハリスさんは正反対にいる人物に見えて、政策面の方針では以外に一致しています。対象は微妙に異なれど、「減税」を打ち出しているのは同じで、移民政策も言い方は違えど結果としては「不法移民は厳しく取り締まっていく」方針です。中東問題、対中国に関しても目指すところは一致していて「イスラエル支持」「中国は牽制」です。妊娠中絶問題を大きな争点とするメディアもありますが、トランプさんは「それぞれの州の判断に任せる」と言っているだけでそもそも中絶に否定的かと言われると首をかしげます

そもそも候補者の「資質」に焦点が当てられて政策に関しては雰囲気で語っているような部分も多いです。「選挙前に何を言おうが当選しちゃえばこっちのものだ」と開き直っている感もあります

ともあれ、予想がつかないのでどっちが当選しても「びっくり」です。11月5日に投票のアメリカ大統領選。選挙イヤーとなった2024年を締めくくるメインイベントはどのような結末をたどるのでしょうか

色々考えましたが……やっぱり、わからない!