今日は2本のポッドキャスト聞きました
1つ目が上のポッドキャスト。第一次世界大戦と第二次世界大戦の狭間の時期、「戦間期」と呼ばれる時期に国の機関である総力戦研究所が「"日本vs米国"が開戦した場合、日本が確実に敗北する」とシミュレーションしていたのに戦争を止められなかったのはなぜなのか、という議題についてGDPにおける国防費や安全保障戦略などを絡めて解説していくものです
国の防衛力を決めるのは、防衛設備や防衛予算だけではなく、経済力や外交力を含めた総合力としての国の力なのだから単に防衛予算を増やしただけで国防が保たれるかのような意見は国防の議論としては不十分である、というのが結論だったように思います
興味深いのは国家安全保障における「DIME」という概念が紹介されているところ
DIMEとは以下の概念を指します
国家戦略を考える際に重要となる、外交(Diplomacy)、インテリジェンス(Intelligence)、軍事(Military)、経済(Economy)の4要素を組み合わせた国家の安全保障の基本戦略。
要するに、国防費の増額でまかなえる軍事(Military)の力だけでは安全保障を達成することはできず、経済成長の達成や健全な外交関係を保つことも戦略として重視する必要があるよ、という話です
当たり前のような話ですが、ここには最近日本で達成されたNATO加盟国水準並みの防衛予算――GDP比率2%の防衛予算――を実現するために増税をして国の経済力を損ねることになってしまったら、本末転倒では、という懸念が含まれています
個人的には防衛費って「何も起きなかった場合」に無駄にしかならないので、あまり増やしたくない派です。経済に対する投資はリターンが見込める場合もありますからね。にわかに敵対国と認定されつつある中国も、日本に対して影響力を強めていこうとした場合に軍事的な行動を起こすのではなく、経済的に日本を支配してこようとするんじゃないでしょうか。そっちのほうが遥かに現実的です
なので、トマホークを購入するより、国産のベンチャー企業に出資したほうがよっぽど国防につながるのではないか、と聞きながら思いました
2つ目に聞いたのが「あと5日 町山智浩さんに聞く!アメリカ大統領選の裏側と勝敗予想」です
いよいよアメリカ大統領選の結果が11/5日に明らかになります。民主党のカマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の戦いとなった2024年の大統領選。いったい、アメリカ国民はどちらの候補を選ぶのでしょうか
自分はトランプさんが大統領になる方に賭けます。世界情勢が急速に悪化しつつある現在、平等や多様性、公正性を訴える進歩的な人物よりもたとえ強権的でも自分たちの利益を守ってくれる力強い人を求めているのではないでしょうか。トランプ大統領のイメージはまさに後者と一致します
インタビュイーの町山智浩さんは話を聞く限り、明らかに民主党支持者、カマラ・ハリスさん支持の立場にあります。そのためか、イーロン・マスクやピーター・ティールなどトランプさん支持を表明している有名な人物の選挙活動を自分たちの企業の利益を確保するために次期政権にすり寄るアコギな行為だとこき下ろしています
〇〇とイーロンマスクは実はつながっている、とか〇〇はピーター・ティールに薫陶を受けた人物だ、などの話が続きます。聞いていると、なんかそういう「〇〇は〇〇と裏でつながっている」という語りの形式って陰謀論じみているなと感じてきます
トランプさんの支持者の中で渦巻く陰謀論、「トランプは悪の組織ディープ・ステートと戦う正義の使者だ」と同じようなノリで「ハリスは悪の軍団、トランプ軍団に対抗する唯一の手段だ」というような意見がアメリカ国内にあることが思い知らされます
そういう意味では、アメリカ国内の中では裏金問題でわいわいしている平和な日本なんかよりも遥かに深刻に分断が起きているのでしょう。共和党支持者と民主党支持者で世界観が違うために全く話が通じない、お互いが聞く耳を持たないという状態になりつつあるのかもしれません
トランプvsハリスの2024年大統領選もあと僅かですが、遥か遠くの外野から見ていて思うことは、彼らが何の政策を訴えているのかよくわからないことです。政策の良し悪しで優劣が比較されていると言うよりかは、お互いの陣営が相手の陣営をけなし続け自分たちの優位性を主張しているだけに思います
民主主義の中心地点でこのような不毛な争いが起きているのだから、日本の民主主義もそうなっていくのでしょうか
その意味で先の衆議院選挙で何よりも政策実現を重視した国民民主党が躍進したのは明るいニュースなのかも知れないと思ったのでした