キュートはスマートを凌駕する ネコの深刻なあほ化

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野生のネコに比べ、ペットとして飼われているネコの脳は小さくなってきている、という記事を読みました。

gigazine.net

動物が家畜化されると「脳の容積が少なくなる」変化が起きることはヒツジ、ウサギ、イヌなどの哺乳類で確認されていましたが、上の記事で紹介されている研究結果によってネコに関してもその現象が見られたとのことです。

これまでねこは「半家畜化」された動物であるとみなされることがしばしばありました。確かに食用として育てられているウシやブタなどの家畜と比べるとヒトとネコの関係は異なるように見えますし、主従関係にあるヒトとイヌの関係とも少し違う気がします。ほかの家畜と違い、ネコとヒトはお互いに独立した共生関係を営んでいる……という意見がありネコは「半家畜化」されているとされることがありました。

ただし、今回の検証によってイエネコもイヌやウシなどと同じようにヒトを頼って生きている=家畜化されていることの大きな証拠が見つかったというのです。

研究結果の意義についてはひとまずそこまでにしておくとして、なぜ飼い猫は脳が小さくなるようになったのでしょうか。

研究ではある仮説が提示されています。人に飼われているねこは狩りをせずとも食事にありつけるため、外的な刺激にさらされることが野生のねこよりも少ないです。このことから、多くのエネルギーを必要とする脳の容量を少なくすることで種としての効率化を図ったではないかというものです。

なるほど、説明されてみるともっともです。頭がいいことは外の世界で常に生死をかけた駆け引きを行っている動物たちや社会を営む人間とっては重要な意味を持ちますが、ヒトに飼いならされ、特に何もしなくても生きていける家畜にとってはさほど意味がありません。重要なのは「賢いこと」ではなく、「ヒトに好かれること」なのです。

と、ここでちょっとうがった考え方をしてみます。もしかしたら、外的な刺激が少ないから頭を使う必要が少なくなり、脳の容積が減ったのではなく、危機管理能力に欠けたあほの子の方が子孫を残しやすかったというのが真実なのではないでしょうか。

本来、ネコは警戒心が強く、臆病な生き物です。野生のネコのほとんどはヒトを見ると怖がって安全な場所に逃げてしまします。

そんな中、ほかの動物が迫ってきても危機感を抱かないあほの子が突然現れます。その猫はヒトが間近に来ても逃げようとしません。あろうことかヒトのことを「二本足で歩いてるでけぇネコ」だと勘違いしてしまいます。

大抵の場合、あほのネコは食い殺されてしまうのがオチですが、人間側にもそんな猫を珍しがる奇特なやつがいて、あほの子と彼が出会うことによって奇妙な共生関係が生まれます。

こうしてネコは人間の社会に侵入することになるのですが、人間の社会で重宝されるのは「賢いネコ」ではなく、「愛らしいネコ」です。愛らしさとは要するに幼児性であり、飼い猫界のイブ的存在であるあほの子遺伝子を多く受け継いだ赤ん坊っぽいネコのほうがいい待遇を受けるのです。

こうしてあたりかまわずにゃーにゃー鳴いたり、おなかを見せて眠ったり、自然界でやったらリスクの高すぎる行動をとる珍ネコが幅を利かせ始めます。人間はそんなネコを見るたびに庇護欲をかきたてられ、ネコにぞっこんになります。あほの子ネコは外界では暮らしていけませんから人間に対する依存度を高めていきます。こうしてズブズブの共依存関係がはじまっていくのです……。

まぁ、素人考えで何の根拠もない推測なのですが、本当にそうだったら面白いですね。

人間界でうまくやっていくためには賢しらなことよりも愛嬌があることが大事。「何より愛嬌!」という意見には納得いかない人も多いかもしれませんが、俺の経験からいわせてもらうと他人に好かれることは社会で生きていくうえでかなり重要な要素です。賢さが裏目に出て恨まれてしまうことも多いですから。ネコに学ぶ処世術です。

賢いネコは多くのネズミを狩ることができます。しかし、あほなネコはネズミこそ捕れないものの、ちゅーるをたくさんもらうことができちゃうのです。

突然ですが、ちゅーる食べているときのネコの知能指数ってどれくらいなんでしょう? きっと、0.1ぐらいだと思います。それぐらいあほっぽいです……。