「1月15日=いちごの日」の陰謀論

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2022年1月、いちごキャンペーンを目にすることが多くなりました。

「いちごの旬って冬だったっけ?」と疑問に思い調べてみると、本来いちごが実を結ぶ季節は初夏だとのこと。俺の勘は外れていませんでした。

ただし、現在栽培されているいちごはハウスで栽培されているために、温度を調節して一年中収穫ができるようです。

そして、クリスマスや正月などの祝いごとが多い冬に需要が高まるのでこの時期に市場に出回ることが多いのだとか。コンビニやスーパーなどの小売業各社が冬にいちごの売り出しを行うのはそのためなのです。

mi-journey.jp

また、寒い時期に育ったいちごは糖度が高いというのも冬にいちごが注目される理由の一つ。冬のいちごは成長が遅いために糖分を蓄える時期が長くなり甘みが増すのだとか。時間をかけて育ったものの方がおいしくなるんですね。

そんな中、「いちごの日」なるものがあることを知りました。

1月15日。語呂合わせで、「い・ち・ご」です。

おかしいと思ったそこのあなた、賢いです。

だって、「い・ち・ご」なら1月5日の方が語呂合わせとして適しているからです。「いちごを数字で表現してみて?」と問いかけたらほとんどの人は「15」と答えるでしょう。俺だってそうです。

だだし、1月15日となっているのは別の理由があるのです。以下のサイトでは「全国いちご消費拡大協議会」なる団体が記念日を定めたということと、その由来について述べられています。

zatsuneta.com

そうです! ただのいちごではなく、いいいちごを表していたほうが記念日としては適切ですよね。だから「い・い・いち・ご」で1月15日なのです!

はい、おかしいと思ったそこの人。やっぱり賢いです。

普通に考えれば、「いいいちごの日」は11月15日になるはずです。同じ語呂合わせの「いい夫婦(11月23日)」や「いい肉の日(11月29日)」が1を2回連続して「いい」と読ませているのですから「いいいちごの日」は11月15日となるのが自然でしょう。「いい国作ろう鎌倉幕府」は1192年を覚えるための語呂合わせです。鎌倉幕府は192年にできたのではありません。

単なるいちごの日であれば、1月5日で事足ります。いいいちごの日にしたいのであれば11月15日で済む話です。なんで1月15日が「い・い・いち・ご」でいちごの日なのでしょうか?

これには「全国いちご消費拡大協議会」の邪悪な陰謀が絡んでいます。

まず1月5日でない理由。これはいちごを売り出したい側の気持ちになってみれば容易に想像できます。

正月気分も冷めやらぬ1月5日にいちご売り出しキャンペーンをやったとして、小売店はその用意をしてくれるでしょうか?

キャンペーンというのは1日だけではなく、ある程度の期間売り出しを行うものです。1月5日がいちごの日でキャンペーンを行うなら、前後1週間ぐらいのスパンで売り出しを行うわけです。つまり12月29日から1月12日までの期間でいちごを売り出すわけですね。

この期間は年末年始で小売業者も忙しい時期です。ほかに売るものがいっぱいあるというのに、わざわざ語呂合わせの1月5日にあわせていちごのキャンペーンを準備している暇などありません。なので相手にされません。

そもそも、年末年始は祝いごと需要でいちごは何かと売れます。わざわざキャンペーンをしてまで売る必要がないのです。せっかく記念日を作るなら、より売り上げが伸びるような時期に記念日を制定したいものです。

さぁ、そんなわけで1月5日を「いちごの日」にはしたくありません。「いいいちごならどうだろう」と妙案が浮かびます。いいいちごの語呂なら11月15日。「全国いちご消費拡大協議会」の構成員はまたも首をひねります。

なぜなら、11月中旬にいちごを売り出したとして、次にいちごの需要が増えるであろうクリスマスまでに一か月程度の猶予があるからです。

それに加え、さきほどお話しした「糖度」も関係しているかもしれません。甘いいちごが取れるのは12月から2月にかけて。11月は少し時期が早すぎます。どうせなら……1月の半ばとか……。

「大体あってるんだから1月15日いいじゃん」。協議会の会員からそんな意見が出てきます。そもそも語呂合わせなんだし、ちょっと無理があってもいいのです。1月の1は中国語の「1=イー」とでも読ませれば、「イー・いち・ご」で1月15日になります。

これが1月15日がいちごの日になった真相です。

もちろん、俺の勝手な憶測なので、本当の由来を知りたいかたは文献資料にあたるなりしてがんばってください。でも、あながち間違ってなさそうだと自分自身では思っています。

1月15日にいちごの日を持ってくることによって、12月後半から3月初旬にかけていちごの永久コンボが発生します。

  1. ~12月25日 クリスマス商戦。ケーキが売れる。いちごが売れる
  2. 12月26日~1月3日 年末年始商戦。ケーキも売れるし高い果物も売れる。いちごも売れる
  3. 1月7日~1月22日 いちごの日商戦。とにかくいちごが売れる。
  4. 2月7日~2月14日 バレンタイン商戦。あまいものが売れる。やっぱりいちごは売れる。
  5. 3月3日 ひな祭り商戦。小さい女の子はいちごを食う。いちご売れる!

こうやって俺たちは12月から3月までいちご漬けの生活をよぎなくされてしまうのです。ああ、いちご怖い。

「全国いちご消費拡大協議会」……なかなかあなどれない存在のようです。