おはぎぼたもち戦争 おはぎは立派でぼたもちは雑魚

おはぎ・ぼたもちのイラスト

スーパーでおいしそうなおはぎが売っていたので買って食べました。1個入りで120円でした。オイシイ!

そんな些細な感動を伝えようと、今日はおはぎについて書こうと思いました。お菓子の分類に入れていいのかと思うほどシンプルな料理ですが、見た目に違わずシンプルにおいしいです。

クックパッドに調理の仕方が乗っていましたが、おはぎの作り方というより、あんこの作り方、米の炊き方の説明ですね。実際、おはぎの作り方なんて一行で説明できてしまいます。

1.お米をあんこで包んでください。完成です。

cookpad.com

おはぎについて何か面白いとピックはないかと「おはぎ」のWikipediaのページを見てみようと思ったら……ない! ウィキメディア財団はおはぎが苦手なんでしょうか。おばあちゃんの手に付着している細菌が移植されていてキタナイから? そんな現代っ子みたいなこと言うな!

ですが、安心してください。おはぎについて書かれたページはあります。ただし、「ぼたもち」のページにですがね。

ja.wikipedia.org

    「おはぎ」はこの項目へ転送されています。おはぎという愛称で知られる女性声優については「矢作紗友里」をご覧ください。

俺はこの一行を見たとき、首をかしげました。ぼたもちっておはぎの別称じゃないの? 写真のお菓子はどうみても"おはぎ"だろ。おはぎの写真にぼたもちという注釈がつけられているのは非常に違和感があります。

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実際、今日俺がスーパーで買った「おはぎ」にもちゃんと「おはぎ」と書かれています。「ぼたもち」などというしょぼくれた名前ではありません。

一説によると(というか"おはぎ ぼたもち 違い"でググるとこんな回答のページが大量に出てくる)"おはぎ"と"ぼたもち"の違いは季節にあるとか。

それらのサイトによると春に食べるのが牡丹餅≒ぼたもち、秋に食べるのがお萩≒おはぎ……らしいです。確かにどこかで聞いたことのある説だなと思いつつ、俺はどうも納得いきません。だってそんな使い分けしている人見たことないし、俺の近所のスーパーでは年がら年中おはぎが売っています。

もし、ぼたもちとおはぎが季節によって変わるのだとしたら、いつからぼたもち、いつからおはぎと呼べばいいのでしょうか。オフシーズンである夏と冬に食べるあんこに包まれたあの物体は果たしておはぎなのでしょうか、ぼたもちなのでしょうか。

完全に個人の主観ですが、俺はこれをぼたもち陣営が垂れ流したデマであると看破しました。おはぎとぼたもちの関係性は、唐揚げとザンギの関係性と同じなのです。要するにおはぎが正統派でぼたもちが異端なのです。

その根拠として、Googleの検索結果の表示件数を比べてみましょう。

2021年1月19日現在、「おはぎ」と検索してヒットするページは約874万件

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一方、「ぼたもち」は約122万件。

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春と秋で呼び分けを行うのであれば、半々でないとおかしいことになります。春と秋は平等にやってきますからね。にもかかわらず、「おはぎ」という言葉の方が7倍ほど多くのページで関連があるとされているのはどうしてなんでしょうか。ぼたもち派の方々に俺は問いたい。

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Googleトレンドで「おはぎ」「ぼたもち」の比較を行いましたが、ほぼすべての期間においておはぎが優勢です。(2013年の10月から2014年の2月にかけておはぎよりぼたもちの方が多く検索されるという異常事態がありましたがそれ以外はほぼすべてにおいておはぎ優勢です。特に近年においてはそれが顕著です)

おはぎもぼたもちも例年3月と9月に検索回数が増えるという特徴を持っていますが、3月には若干ぼたもちの検索回数が増えるということはありますが、おはぎを上回るほどではありません。

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実は、ひそかに「ぼたもち」という言葉は関西圏の言葉なんじゃないかと推測をしていたのですが、地域での比較を見る限りそんなことはありませんでした。ぼたもちはどの地域でも少数派です。

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おはぎに関連するワードは「レシピ」や「カロリー」など食べ物を彷彿させるワードが多いのに対し、ぼたもちの関連キーワードは「棚からぼたもち」ばっかりです。

ぼたもちが棚にしまってあるのを実際に見たことがありますか? ぼたもちはことわざにしか登場しない古の食べ物、まさに絵にかいた餅なのです!

さて、おはぎ派が完全に勝利したところで、真面目に考えた俺の仮説をお聞かせしましょう。

でっかくて立派なのが「おはぎ」で、こじんまりとしているのが「ぼたもち」です。Wikipediaにも名前の使い分けの一説として紹介されていますが、俺が一番しっくりくるのがこの使い分けです。「棚からぼたもち」より「棚からおはぎ」の方がお得な感じがしますからね。こしあんを薄く塗られたゴルフボールサイズの和菓子があったら、さすがの俺も「おはぎぃ!」ではなく「ぼたもち……」と言ってしまうかもしれません。ぼたもちとはそういうものなのです。

その意味でいっても、やっぱり俺はぼたもちよりおはぎ派です。こぶしぐらいの大きさのあんと米のみで作られた甘み。この武骨こそがおはぎの神髄です。

おはぎを擬人化したら、きっと高倉健みたいなおっさんになることでしょう。

「……不器用ですから」

高倉 健