【閲覧注意】この記事を見た人は全員呪われます。(そんなわけない)

っていう感じの怖い話、子供のころものすごく怖かったんですけど、わかりますか? 

恐怖の作り方としてこれほどずるい手段はないですよね。冷静に考えばそんなことあり得ないとわかるのですが、そうじゃないという証拠もないわけですから完全に否定することもできない。率直に言ってずるいですよね。

「ノックスの十戒」というミステリの禁じ手を定義した有名な戒律がありますけど、ホラー作家協会(そんなのあるのかは知らんけど)は、ホラーの禁じ手のうちの一つとしてこの類の「聴いたら死ぬ」「見たら死ぬ」「読んだら死ぬ」系のアイデアを禁止すべきだと思います。

今回はそんなずるいアイデアを撲滅するためにも、それぞれ代表的なものを否定していきたいと思います。

聴いたら死ぬ(そんなわけない)

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有名なのが「暗い日曜日」ですね。シェレシュ・レジェというハンガリーの売れない作曲家が作った曲みたいです。彼はこの曲を作ったのちに自殺しています。

上の動画はフランス語に訳されたものっぽいので、ハンガリー語で作られたはずの「暗い日曜日(Szomorú vasárnap)」とは違うかもしれないです。聞くと精神崩壊して自殺するという曰くつきの曲ですが、フランス語なのでノーカンですね。

聴きたくない人は聴かないでもよいのですが、好奇心旺盛な人は再生してみてください。題名の通り終始暗い曲調の曲で、歌詞の内容も明るいとは言い難い曲ですが、そんなに特徴的な音楽ではありません。てっきり怪電波みたいな曲だと思っていたので、ちょっとがっかりです。

気分が落ち込んでいる人が聞いたら確かにさらに気分が落ち込みそうな類の曲です。でも、そんなような曲っていっぱいありますよね。この「暗い日曜日」もそんなような曲の一つだと思います。たまたまこの曲に感化されて自殺した人が出てしまったために、曰く付きの曲になってしまったのでしょう。放送禁止になっている国があるとのことですが、本当なのでしょうか。眉唾ものです。

ちなみに、作曲者のシェレシュは確かにこの曲を作った後に自殺しているのですが、この曲を発表してすぐに自殺したというわけではなく、この曲を発表(1931年)した後、37年経って自殺しています。効果が出る前でに30年以上かかる呪いって……生活習慣病か何かですか?

なんとこの曲、SpotifyやAmazonPrimeMusicでも配信されています。ドライブ中にこの曲が流れてきたら要注意だゾ!

open.spotify.com

 

見ると死ぬ(そんなわけない)

(上のツイートは当然俺のじゃないよ)

見たら死ぬ画像の欲張りセットですね。どれも見たら死ぬらしいです。この画像を合わせ鏡で写したら、お互いの効果がお互いに適用されて消滅してくれるのでしょうか。

どれも不気味な画像です。ですけど、不気味な画像を見たら死ぬというのは原理からして不明です。本当に見たら死ぬ画像ってフラッシュグレネードみたいな画像なんじゃないでしょうか。怖い画像って見ても物理的には何の効果もないですよね。

さらに意味不明なのは「何回か見ると死ぬ」というバリエーションです。アナフィラキシーショックみたいなルールです。ですが、回数の根拠が不明ですし、そもそも回数がどこに蓄積されているのかもよくわからないですし、何かを見る回数というのがルールとして不明確です。例えば、瞬きすると一瞬視界が暗闇になりますが、瞬きした前と後で見た場合「2回」のカウントになるのでしょうか。それとも、一回視線を外して、もう一度視界の中に画像を納めれば2回なのでしょうか。はたまた一定期間インターバルタイムがあって、そのインターバルタイムを挟んだあとにもう一度見るということで2回目のカウントとなるのでしょうか。謎は深まるばかりです。

死因は何なんでしょう? 一定回数見てしまうと、絵に描かれた人間っぽい存在が画面から飛び出してきて襲いかかってくるとかなんでしょうか。正直、どの絵の人間も俺より弱そうです。ひょろガリとハゲと小さい女の子しかいないじゃないですか。ワンパン余裕ですね。え、呪いの力が使える? そんな力発揮する前に右ストレートで顔面を陥没させて見せますよ。彼らは泣いて許しを請うでしょうね。

 

読んだら死ぬ(そんなわけない)

代表的なのは一時期流行ったチェーンメールというやつでしょう。いきなり送られてきて、読んだら何かが起きますと書いておあるやつです。

tiebukurojinsei.com

上のサイトで有名なのがいくつか紹介されています。一番最初に紹介されている「犬鬼寺」は外に出るなと言いつつ、困ったら指定の場所に向かえという矛盾する命令を抱えているという欠陥がありますが、緊張感のある文章は非常にいいと思います。

ちなみに、この文章の中に書かれている緯度経度が差す場所をGoogleMapで調べてみると東京タワーが出てきました。東京タワーから西に1.9Kmいったところに何かあるんでしょうか。できればその目的地の方の緯度経度を書いてほしかったんだけど……。地方在住の人はこのメールが送られた時点で詰みです。

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2つ目のさっちゃんのメールはチェーンメールの中では一番有名なものなんじゃないでしょうか。踏切事故で足を失った女の子がメールを読んだ人間の足を奪いに来るというもの。このメールは無差別に送られているメールなので、このメールの内容が確かであればさっちゃんは何百人もの人間の足を奪いに行くことになります。そんなに足を増やしてムカデにでもなるのかな? さっちゃん足多すぎ問題ですね。

その次に紹介されているチェーンメールの内容も足失った女の子の話です。読んでいただければわかりますが、正直突っ込みどころが多くてどこから処理したらいいのかわかりません。

どろどろの人間関係が語られたかと思いきや、突如話が交通事故に飛んで、なぜか何の関係のない読者の足をもらおうとする送信者。

いやいや、好きな人を横取りした元親友のりんちゃんから足を奪えよ。とばっちりにもほどがあります。足がないからりんちゃんを殺しに行けないとか言ってますけど、それならば他人から足を奪いに行くことも不可能なのでは?

その後、急に石川朋美さんという川崎国在住のかわいそうな被害者の話が出てきます。どうやら、送信者はこの女の人の足を頂戴したようなのですが、それならばもうりんちゃん殺しに行けよ。足コレクターか、お前は。実行犯はこいつなはずなのになぜか他人の事みたいに語られているのも気になります。

そして、小心者のヤンキーみたいにバックに山口組がいることをちらつかせた後、このメールが世界に3つだけある本物のチェーンメールのうちの1つだと言い放ちます。本物のチェーンメールとは??

チェーンメールの内容に一つ一つ突っ込んでいったらキリがありませんからここまでにしておきましょう。読んだら何かが起きるとほのめかされているこれらの文章ですが、読んでも何も起きないのは明々白々たる事実です。だって、読んだ人間を検知する技術なんて現代でも実現してないんだもの。どの端末から文章が表示されたのかはサーバーのログを見てIPアドレスを特定すればわからないこともないですが、実際に誰が読んだのかなんて技術的に特定しようがないのです。最先端の技術をもってしても実現できないようなことがなぜ呪いの力でできるのでしょうか。もし、チェーンメールの内容が本当ならば学者や企業が黙っているはずがありません。血眼で技術の中身を特定しようとするはずです。

……まぁ、そこまで真剣に考えなくとも「常識的に考えて」あり得ないわけなんですが……。

 

怖いって何だろう

聴いたら死ぬ、見たら死ぬ、読んだら死ぬ、全部嘘っぱちなわけですけど、子供のころの自分がこれらのお話を非常に恐れていたのは事実です。

なぜなんでしょう。

小さいうちは判断能力が低いからわからなかった、という結論を出してしまうのが手っ取り早いです。でも、なんでこれらのどう考えてもあり得ないお話を怖く感じてしまうのかって真面目に考えてみてみたら面白い題材である気がします。

雑な終わり方になりましたが、以上です。当然、この記事を読んだからといってあなたに何か悪影響が及ぶということはありません。強いて言うなら、時間の浪費になってしまうといったことぐらいでしょうか。